人になついて飼いやすいペットの代表格のひとつがセキセイインコです。
セキセイインコがペットとして飼われるようになったのは、1840年頃原産地のオーストラリアからイギリスに持ち込まれたのがきっかけでした。日本には1914年に初めて輸入されその美しさは評判になったようです。その後、1952年にさらに美しく改良されたセキセイインコがもたらされ、現在まで数多くの品種が日本とヨーロッパで作り出されています。
今ではセキセイインコの色や模様のバリエーションは5000以上もあると言われています。ここでは代表的なセキセイインコの品種をご紹介してまいりましょう。
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並セキセイインコと高級セキセイインコ
セキセイインコを漢字で書くと背黄青鸚哥となります。これは最初に日本に持ち込まれたものが背中が黄色と緑(青信号の様に緑のことも青と呼ぶことがありますね)の縞模様だったからと言われています。この原種に近いセキセイインコは、近年の改良が進んだものと区別して「並セキセイインコ」と呼ばれてます。
更に原種から改良が進んだものを「高級セキセイインコ」と呼び、実際にお値段も高いです。さらにその高級セキセイインコの中でもいくつかの代表的なグループに分かれますので次にそちらをご紹介しましょう。
色柄バリエーション、芸もの、大型セキセイインコ
ブリーダーが改良を重ねた高級セキセイインコの中には、さらに「芸もの」と「大型」と呼ばれるグループがあります。
「芸もの」は羽衣や梵天のように背中や頭部に巻き毛が入るゴージャスで美しいセキセイインコのことです。また群れの中で大きくスタイルの良い個体を選び交配させていってひと回り大きくしたものが「大型セキセイインコ」です。
近頃では以上の「並セキセイインコ」「高級セキセイインコ」「芸もの」「大型セキセイインコ」の4つのグループで区別することが主流です。では次にこの4つのグループの中でも細分化されるセキセイインコの種類について詳しくお伝えしてまいります。
並セキセイインコ
良く見かけるのは頭部がイエローでボディがグリーンのものと、頭部がホワイトでボディがブルーのものですが、これも自然界では100羽に1羽くらいの確率で現れるものを人為的に固定化したものです。「並」などと名付けられてしまいましたが本当は並ではないのです。シェルマークと呼ばれる貝殻の様な黒い柄が目の回りの頭部から背中や羽にかけて入るのが特徴です。
宝石のオパールから名付けられたオパーリン(高級セキセイインコ)
オパーリンは頭部や背中からシェルマークが抜けていますが翼には斑紋が残り、閉じた翼を後ろから見ると黒い縞がV字に出るのが特徴です(翼の黒い模様も抜けている個体もあります)。オパールのような美しい濃淡のブルー系の他にグリーン系もいるようです。
一番人気!レインボー(高級セキセイインコ)
レインボーはオパーリンと同様の斑紋の出方ながら、頭が黄色で胴と羽が淡いブルー系なのが特徴です。斑紋が残っているものをノーマル、斑紋が抜けているものをパステルカラーレインボーと呼びます。パステルカラーレインボーはふんわりとした夢のような存在感が愛らしく、今一番人気と言われています。
愛好家に人気のハルクイン(高級セキセイインコ)
ハルクインとはまだらという意味です。シェルマークは目の回りのみに残り頭部から背中にかけては無くなり、羽には大きな黒のまだら模様があります。お腹にもブルーやグリーンがまだらに入り水彩画のような美しさがあり愛好家に人気の高い品種です。ホワイト系、イエロー系、4色(ホワイト、イエロー、ブルー、ブラック)系があります。
またハルクインは他の品種の成鳥にできるアイリスリングという白い輪が目の回りにできないので、黒め勝ちのつぶらな瞳が愛らしいです。
胸で切り替えのセーターを着ているようなパイド(高級セキセイインコ)
体の色がまだらになっているのがパイドです。背中や腹、翼などにまだら模様(色抜け)が現れ、まるでツートンのセーターを着ているように見えるユーモラスな姿が可愛いです。ホワイト&ブルー系とイエロー&グリーン系がいます。
スパンコールのような模様のスパングル(高級セキセイインコ)
スパングルは淡い色の斑紋が羽の縁取りのように現れまるでスパンコールの飾りのように見えることから名付けられました。ホワイト&ブルー系とイエロー&グリーン系がいます。
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黒いシェルマークが消えたセルフ(高級セキセイインコ)
セルフはオパーリンの本来黒いシェルマークが地色と同じ色に変化し目立たなくなったもので、やわらかい印象のセキセイインコです。
品格のある美しさウィング(高級セキセイインコ)
ウィングはシェルマークが黒色ではなく淡い色でぬけて、首から背や羽にかけて青海波のような模様がうっすらと美しく浮かび上がるのが特徴です。貴婦人を思わせるような優雅な姿です。
黄色一色のルチノー(高級セキセイインコ)
ルチノーは黒い色素が無くなる色素異常の品種を固定化したもので、イエローやクリーム一色になり、目も赤いのが特徴です。黒い斑紋だったところが白く抜けて出る場合もあります。目は色素がないため血管が透けて見えているため赤くなるそうです。ワントーンの美しい鳥ですが他の品種に比べて体が弱いとも言われていますので飼う場合は大事に育てる必要があります。
真っ白なアルビノ(高級セキセイインコ)
ルチノー同様に黒い色素がなく、真っ白な羽に覆われているのがアルビノです。ルチノーよりも発生率が低いのでより希少価値が高いと言われています。ルチノーと同じく赤目で、体も弱いと云われますので大事に育てましょう。
パステルカラーで赤目のファロー(高級セキセイインコ)
ファローとは英語で淡黄褐色のことで、淡い黄色や褐色、淡いブルーの全身に淡い褐色の斑紋が入り、赤目であることが特徴です。イングリッシュ、ジャーマン、スコティッシュの3種があり、アイリスリングの色が白やピンクなどと変わってくるようです。
日本で改良された巻き毛(芸もの)
巻き毛とは頭部や肩、腹、背などに逆毛を立てたように巻き上げる羽が突然変異で現れたのを固定化した品種です。巻き毛が花が咲いたようにひらひらと優雅でゴージャスな印象を与えます。頭にできる巻き毛を梵天、背中にできるのを羽衣(なので羽衣セキセイインコとも呼ばれます)、腹にできるのを腹巻と呼びます。人気があるのは梵天と羽衣の両方がある(両羽衣)タイプだそうです。観賞用として作られていますが近年では手乗りのものもあるようです。またオパーリンをベースに両羽衣、パイドで両羽衣など高級セキセイインコ同様のバリエーションも様々みられます。
イギリス育ちのジャンボセキセイインコ(大型セキセイインコ)
ジャンボセキセイインコは通常のセキセイインコの中からコンテスト用に大きくてスタイルの良いものを選び出して交配させているうちに作られたものです。そのため別名を「ショーバード」ともいいます。セキセイインコよりもひと回りからふた回りほど大きく、体重はセキセイインコが35gほどなのに対して50〜60gと1.5倍近くになります。成鳥になるとおでこが出てくるのも特徴です。羽の色はほぼ高級セキセイインコと同じバリエーションがあります。体は大きくても怖がりで甘えん坊でおっとりした性格のようです。人によく懐くところは通常のセキセイインコと変わりません。
いかがでしたか?ひとことにセキセイインコと言っても今では色も羽の形も大きさも様々なバリエーションが誕生しています。今このときも世界のブリーダー達によって新しいセキセイインコが誕生しているかもしれません。
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