ハムスターは「ペット」として飼われるようになり、性格も温厚な品種へと改良も進み、人間に「懐く」動物になったといえるでしょう。
ですが、ハムスターと言えどもゴールデンハムスター、ジャンガリアンハムスター、チャイニーズハムスターなどなど、品種による性格の違いもあれば同じゴールデンハムスターでも雌雄の性別による性格の違い、またはやはり個体による性格の違いもあります。ですから人間(飼い主)への懐きやすさは個体差があるということは覚えておきましょう。
それぞれのハムスターの性格にあった飼育を根気強くしてあげることで、ハムスターは飼い主さんを信頼し、自然と懐くようになります。
では具体的に懐かせるためには何をしたらいいのでしょうか。そしてやってはいけない注意点などはあるのでしょうか。見てみましょう。
スポンサーリンク
ハムスターを懐かせる方法
ハムスターをおうちにお迎えして、最低でも一週間は直接触れ合うことは避けてあげましょう。ハムスターにとっては生活(飼育)環境ががらりと変わり、非常に警戒心が強くなっています。ペットショップではおとなしい子だったのに、急に噛みついたりすることもあります。
まずは一週間、環境に慣れるように静かに見守るようにしましょう。不必要に触れたり、掃除をしたり、ケージの前で眺めたりするのはハムスターにとってストレスになります。
隠れる場所(ハウス=巣箱)を必ず用意してあげましょう。まずは隠れられる場所を用意して落ち着かせてあげます。そして、必要最低限な餌と水を用意してあげます。最初は巣箱に隠れてなかなか出てきませんが、少しずつ外に出て、餌や水を飲み始めます。このとき飼い主さんはケージの近くで見つめずに、遠くから観察してあげましょう。
ちなみに巣箱は透明はものは避けます。中から外が見えない落ち着ける巣箱を用意してあげましょう。
しょっちゅう巣箱から出ては餌を食べるようになったなら、さらにしばらくそのまま様子を見ます。そして、巣箱から出て餌を食べることに慣れて警戒心がなくなったら、次に手のひらに嗜好性の強い餌(ひまわりの種など)をのせて近づけてみます。このとき、ハムスターを手で追いかけるようなことはせず、じっと待ち、相手から近づいてくるのをひたすら待ちましょう。
ここで餌を手のひらから取ってくれれば、ほぼ成功です。もしも手のひらから逃げる、または噛みつくようなことがあれば一旦手のひらを入れることは中止して、さらに時間をかけて様子を見て、環境に慣れるのを待ってあげましょう。焦りは禁物です。
手から餌を取ることに慣れても、まだすぐには直接手で掴んだりしないようにしましょう。まずは “人間の手” というものが怖くないものだと教えてあげます。ハムスターから見れば人間の手は自分よりも大きな大きな動物のようなものです。「人間の手は自分の食べ物を運んでくれる害のないモノだ」ということがわかるまで、ゆっくりと慣れさせてあげましょう。
人間の手に対して十分に警戒心が解かれたら、下からそっと抱え込むようにして抱き上げてあげましょう。※上から掴むのは、ハムスターにとって自然界でのワシやタカなどの猛禽類に捕えられることをイメージさせ、本能的なストレスを与えるので厳禁です。
抱いてあげるのは最初は短い時間から始め、だんだんと長くしていきます。もしも嫌がるようであれば、すぐにやめて無理をしないようにしましょう。
まとめると、
- 必要最低限なお世話だけにして、静かに見守る(最低でも一週間)
- 巣箱から出て、餌を食べることに慣れさせる
- 巣箱から出ることに慣れたら、手で餌を与えてみる
- 手から餌を食べるようになったらこれを繰り返す
- 手に対する警戒心が十分になくなったらそっと抱きかかえる
- 手で抱く時間を少しずつ長くする
飼い主さんは個々のハムスターのペースを考えて接してあげることが重要です。焦らずゆっくりと仲良くなってゆきましょう。
ワンポイント!餌を与えるときはやさしく話しかける
上のステップの中で「餌を補充するとき」、「餌を手から与えるとき」、「そっと抱きかかえるとき」にはやさしく声をかけながら行います。すべてのステップで “声掛け” をすることで、ハムスターの認識の中で『この声(音)が聞こえてきたらいいことが起きる(餌がもらえる)』という条件反射を植えつけ、警戒心を解いていきます。
ハムスターは視覚が弱く、嗅覚(匂い)、聴覚(音)で外界を強く認識しています。ですから、聴覚から警戒心を解いていくアプローチも大切になるのです。
スポンサーリンク
ハムスターが懐かない?噛む?
基本的には上で説明した手順でだいたいのハムスターは懐いてくれると思います。ですが中には警戒心が強く懐かない性格の場合もあります。この場合、無理に追いかけたり、手のひらに乗せたりということはかえって嫌われてしまいます。また、噛まれたからといって、ハムスターを叱ったり、脅かしてもいけません。
警戒心の強いハムスターの場合は、慣れるのに時間がかかります。ここで根気強く接してあげることが大切です。なかなか懐いてくれない、または噛まれるといった場合は、「自分は飼っているハムスターに嫌われているのでは・・・」と心配になってしまいますが、ハムスターは飼い主さんがまだ怖いだけです。怖いものは時間をかければ怖くないモノに変えていけます。
何よりも人間(飼い主)への警戒心を解くために、時間的スパンを長くとって一つ一つのステップを進めていきましょう。警戒心の強いハムスターほどこのスパンは長くなりますが、焦らずにハムスターのペースに合わせてあげましょう。
餌場に置いた餌を食べることに慣れたらいきなり手で餌を与えるのではなく、スティック状のオヤツや野菜を用意し、ケージの柵越しに距離を縮める練習をしてゆきましょう。ケージの外からスティック状の食べ物を差し出す事で、ハムスターの方から受け取りに来るようになり、そのうちケージの中に手を入れても警戒せずに食べ物を受け取りにくるようになっていきます。
そして、次のステップとして、手のひらや指でつまんだ餌をハムスターが受け取りに来られるように、徐々に距離を縮めてゆきましょう。
懐きやすいハムスターはどんな種類?
比較的懐きやすい種類は、ゴールデンハムスターです。メスの方が性格がきついこともあるので、初めてハムスターを飼育する場合はオスの方がおすすめです。ジャンガリアンハムスターも懐きやすい品種ではあるのですが、個体による性格の違いが大きいので、購入の際にペットショップの方に見分けてもらうとよいでしょう。
また、ペットショップの飼育環境によっても、懐くかどうかの判断材料になることがあります。ペットショップによっては、繁殖の段階から丁寧にお世話をし、日常の清掃もきちんとこなしているお店もあります。この場合、ハムスター自身が人間の世話に慣れているので、警戒心もなく、新しい家に行ってからも人間の世話を警戒しないことが多いです。ですから、購入の際はまずショップの様子をよく観察して、「信頼できる店」から購入をするとよいでしょう。
お薦め! ┣ 小動物 ┣ 観賞魚 ┗ その他ペット | お薦め! ┣ 小動物 ┣ 観賞魚 ┗ その他ペット |