ハムスターは元々、岩石砂漠地帯や荒野に暮らしていました。そこは夏は40度以上の猛暑、冬は氷点下以下と過酷な環境です。それにもかかわらず、野生のハムスターはそれぞれの季節で生活スタイルを柔軟に変えながら生きています。
野生のハムスターは巣穴を掘って暮らしています。そこは地上よりも温度変化が小さく、夏は涼しく、冬は暖かく、そこに餌を運び込んで冬を越えたり、繁殖活動を行います。
人間がハムスターを飼育するとき、ケージの中に自然界と同じような巣穴を再現してあげることはできません。つまり、安定した温度の管理は飼い主がしてあげなければならないということになります。ではどのように管理してあげればいいのでしょうか。特に夏と冬の温度管理が重要になりますが、今回は夏に焦点を絞ってみてみましょう。
スポンサーリンク
ハムスターの夏の飼い方と暑さ対策
夏の飼い方として、エアコンで室温ごと管理することが基本です。また、ハムスターも人間と同じように熱中症になるので注意が必要です。
夏はエアコンで管理するのが基本
ハムスターにとって、快適な気温というのは18~26℃と言われています。でも、夏ともなると気温が26℃に収まる日はほとんどなく、エアコンが欠かせません。ハムスターが夏を乗り切るためには、何よりも室温の管理が大切です。暑い夏場は、飼育している部屋全体の温度をエアコンで調節して飼育するのが基本となります。
注意すべきは熱中症
夏場に注意しなければならないのは熱中症です。直射日光を避けていても、室温が高くさらに空気の流れがないような環境であれば熱中症になります。
夏が近づき暑くなり始めたら、「まだ大丈夫だろう」と思わずに早めにエアコンを使って温度管理をしてあげることが重要です。まだ涼しいと油断していたところ、突然の猛暑日のために愛するハムスターとお別れしてしまうという悲しい声がよく聞かれます。そんなことにならないためにも飼い主さんがエアコンを使ってしっかりと早めの対策をしてあげましょう。
とは言うものの、真夏でなければエアコンを使うほどでもない日もあるでしょう。そんな日でも室温が高くなりやすいようであれば、扇風機やファンなどでケージ内の空気が流れるようにしてあげましょう。このとき直接ハムスターに当てないように注意して、ケージ内の空気が新鮮な空気と換気されるようにしてあげます。扇風機やファンの役目はハムスター自身を冷やすのではなく、ケージ内の換気であるということを覚えておきましょう。
エアコンなしで夏を乗り切りたい
アパートやマンションなど一人暮らしの場合は日中部屋を閉め切りにすることがほとんどですよね。夏にエアコンを切って閉め切った部屋はほんの数十分で高温になってしまいます。そんな中、真夏にハムスターをエアコンなしで飼うことができるのでしょうか。またはエアコン以外の代替法はあるのでしょうか。
結論から言うと、アパートやマンションなど一人暮らしの場合はエアコンなしでは飼育は無理です。
ハムスターの飼い主さんからよく、 『夏でもエアコンを使わないで飼育できないか』 というような声が聞かれます。一軒家や広い間取りの部屋、高層階など風通しがよく涼しい場所を確保できるのであれば話は別ですが、室温が高温になってしまうようであればエアコンを使用しましょう。それが無理であれば、家族や知人に頼んで夏の間だけ飼育してもらうということも考えなくてはなりません。
それでも、どうしても自分の部屋で飼育しなくてはいけない場合もあるでしょう。エアコンを多用したくない理由はおそらく “電気代” でしょう。それでは、エアコンをつけっぱなしにしていると月の電気代はどのくらいになるのでしょう。
スポンサーリンク
夏にエアコンをつけっぱなしにしても月1万円以内
最近のエアコンはとても省エネの技術が発達していて、消費電力も抑えられるようになってきました。
例えば、6~9畳用(2.2kw)のエアコンの2000年~2017年(5年おき)のモデルの消費電力量と年間電気代(*1)を比較したものを下のグラフに表しました。データは家電の省エネ性能を比較できる便利なサイト「しんきゅうさん」を使って、主要なエアコンメーカー5社の製品を比較しました。
*1 消費電力量とは以下の条件で算出されています。
外気温度 | 東京をモデルとしています。 |
期間 | 冷房期間3.6ヶ月(6月2日~9月21日) 暖房期間5.5ヶ月(10月28日~4月14日) |
設定温度 | 冷房時:27℃/暖房時:20℃ |
使用時間 | 6:00~24:00の18時間 |
住宅 | 平均的な木造住宅(南向き) |
部屋の広さ | 機種に見合った広さの部屋 |
グラフを見ると、2000年から2005年にかけて各社省エネの性能が大幅に改善され、2010年以降は大きな変化がないようです。
また、2000年モデルと2010年以降のモデルを比較すると年間電気代が30%以上も安くなっています。2000年(または2005年)以前のモデルのエアコンを使っているのであれば2010年以降のモデルのエアコンに買い替えてしまったほうが長期的にはお得と言えるかもしれません。
2017年モデルでは年間電気代が20,520円となっています。これは上の表に書いてあるように、冷房期間3.6ヶ月(6月2日~9月21日)、暖房期間5.5ヶ月(10月28日~4月14日)の主にエアコンが使われる期間(合計9.1ヶ月)を基準に算出された金額です。平均すると1ヶ月2,255円です。
1日18時間使用してこのお値段です。これは様々なサイトで検証されているエアコンの電気代とも合致しています。
~ 参考になるサイトさん ~
>> 我慢しなくていい!エアコン一日つけっぱなしの電気代は180円以下です。
>> エアコンはつけっぱなしが一番節電できるというのは間違い!一ヶ月検証してみました
ハムスターを含め、ペットは命ある生き物です。夏の暑さに耐えられず命を絶ってしまわぬように、飼育する部屋が暑くなる可能性がある場合は飼う前に月に数千円を使う覚悟があるのかどうか、もう一度考えてみましょう。
エアコンに関しては下の記事も参考にしてください。
※今回用いたデータは平均的なモデルのデータを元にしています。ご利用の際は必ずご自宅でお使いのエアコンの仕様をご確認ください。
衣装ケース、水槽で飼っている場合の問題と対策
衣装ケースや水槽はチップが飛び散らない、広いスペースを確保できると人気のアイテムです。保温性も高いため冬は寒さを凌ぐために効果的ですが、夏は通気性が悪く、暑さ(熱)がこもってしまうという問題点があります。
エアコンの風も十分には行き届かず、水槽内部は想像以上に高温になってしまうこともあります。特に複数で飼育している場合は、さらに温度が上がってしまいます。
夏は、暑さ対策の為にも、ケージを小分けにしてそれぞれがゆったりと生活できるように工夫する、通気性のよいケージを夏の間は使用するという工夫をしてあげましょう。
夏の暑さ対策おすすめグッズ
ハムスターが夏を快適に過ごすための便利グッズといえば、アルミ製でできた冷感グッズです。これらアルミ製でできたプレートは気化熱を利用した安全な保冷アイテムです。ハムスターが上に座るだけで、ひんやり感を感じられる便利なアイテムです。
でも、冷感グッズは床材との使い分けが難しい。気が付けば床材に覆われてしまっていた・・・という事も。複数で飼育している場合には、床材よりも手作りの保冷材を活用するとよいでしょう。
ハムスターをケージで飼育している場合、ケージの屋根部分をタオルで多いその上に保冷材(100均などに売ってます)を置きます。自然な冷気による冷却効果でケージ内の温度を下げることができます。この時、代用品として凍らせたペッボトルを使用することもできますが、溶ける時の水滴で湿気が充満してしまうので気をつけましょう。
小さなハムスターにとって夏の暑さ対策は命にかかわる重要なことです。エアコンの使用、または冷感グッズや冷却グッズを利用して、ハムスターにとってできるだけ快適に暑い夏を過ごさせてあげられるように飼い主さんが万全の対策をしてあげましょう。
こちらの記事もどうぞ
>> 夏のエアコンと電気代|アパートなど一人暮らしでのペットの室内飼い
お薦め! ┣ 小動物 ┣ 観賞魚 ┗ その他ペット | お薦め! ┣ 小動物 ┣ 観賞魚 ┗ その他ペット |